アヒルと琥珀

なんとなーくでいきてるひとがたまに書いてます。

帰れない!!〜ライブ好きのハプニング その1〜

ライブに行き始めて次の春で丸10年になる。
早いものである。
回数を重ねれば重ねるほど、おもしろハプニングにも見舞われる。わたしは元々“もっている”と言われるくらいハプニングの引きが強すぎる。なので何回かに分けてその話を書いていきたいと思う。

◆嫌な予感

2019年9月7日午後。
わたしはドリカムワンダーランド、ドーム公演ラストの大阪に向かっていた。久しぶりの大阪、とてもワクワクしていた。翌日のライブのために前乗りしていてライブ後に最終の新幹線で帰るつもりだった。
気がかりは、台風15号が接近していたことだった。非常に勢力が強いと言われていたものの、いつも台風が来てもなんだかんだ電車は動いているし、大丈夫だろうと油断していた。
新幹線でビールなんて開けちゃって、牛肉ど真ん中が美味しいなぁとホクホクしながら大阪に向かった。
そして大阪についてホテルにチェックインをして、美味しいものを食べた。この日食べたお好み焼きが人生で一番美味しいお好み焼きだった。
そして幸せな気持ちで眠った。
今考えるとそんな幸せになっている場合ではなかった。


◆計画運休発表

2019年9月8日朝6時。
休みの日なのにうっかり早起きをしてしまった。
もう少し眠ろうかなぁとSNSを見ると計画運休の文字が目に入った。東海道新幹線も18時以降の上り線は運休という文字が見えた。
目が一気に覚めた。寝てる場合じゃない。最終で帰れない。どうするわたし。
とりあえず困ったけど、お風呂に入りたいのでお風呂に入った。ただお風呂に入っても何も解決しない。当たり前である。
困った時には人生の先輩の話を聞こうと母に連絡をした。
「明日仕事休んじゃえ!」
参考にならなかった。また悩む。ライブは見たい。仕事は休むの怖い。ただライブを見ずに上りで帰ろうとしても寿司詰め状態の地獄のような新幹線に乗らなければならないことがほぼ確定しつつあった。うだうだと1時間ほど考えて出した結論。

仕事休んでもう1日いよう。

そうと決まれば、まずホテルの確保だった。幸いなことにその日泊まっていたホテルが手頃な値段かつ部屋も変えずに宿泊可能だと言われたので延長してもらう。
そして1泊分しか着替えもないので、コインランドリーで洗濯をして部屋の中に干した。夏でよかった。
なんばのみどりの窓口に行き、明日の新幹線に振替をしてもらう。もうゆっくりしようと東京に夕方に着く新幹線にした。
このあたりでワクワクが止まらなくなってきてしまっていた。帰れないんだもん!仕方がない!と開き直っていたのだと思う。

◆楽しいしかないライブ、そして…

そしてライブに向かう。そこで調べていると最終が16時40分に繰り上がったということだった。もう後には戻れない。仕事も行けない。完全に腹を括った。
そしてもう帰れない背徳感とドーム公演最終という独特の空気感で興奮していた。強いアルコールよりもキマってしまっていた。
ライブを3時間、目一杯堪能して終演。
このライブはフォロワーさんからチケットを譲ってもらっていて、同じ人から譲ってもらっていた隣の人もおひとりさま参戦だった。そして関東から来ていてもう帰れないという点も同じだった。
もう焦らなくていいからゆっくり規制退場で呼ばれるまで待っていた。
そのうちお腹が空いたという話になった。お好み焼きが美味しかったということで前日ののお好み焼き屋さんにまた行くことになる。まさか翌日も同じ店で食べて幸せになるとは思ってなかった。ライブの感想を話しながら色々話してすごく楽しかった。
しかもなぜかご馳走になってしまっていた。
お酒を飲んでベロベロになりながらホテルに戻って、泥のように寝た。

◆ボーナスの3日目

次の日の朝、仕事を休む連絡をした。仕事ももう仕事にならない状態で、無理してこなくていいということになっていた。朝から関東の交通網はぐちゃぐちゃになっていたらしいが、大阪はびっくりするくらいの快晴だった。
時間が合わず行けないと思っていた北極星のオムライスをお昼に食べた。畳敷きの座敷で食べるオムライス。ふしぎだった。
そして陸カフェに行き、シャインマスカットのタルトとチーズケーキをデザートに食べた。
お腹がはちきれそうになりながら、ふわふわと新幹線に乗り東京に帰ってきた。
帰ってくると東京も台風一過の青空が広がっていた。風はビュービュー吹いていたが台風なんて本当に来ていたのだろうかと疑いたくなるぐらいだった。


1ヶ月後また台風に泣かされることをまだわたしは知る由もない。

続く