アヒルと琥珀

なんとなーくでいきてるひとがたまに書いてます。

シナボン

小さい頃はなんでこれが美味しいと認識できるのか!と思っていた。
両親が好きで小学校低学年くらいの時、よく食べていた。
匂いもきついし、甘ったるいし、口の中に何かがザリザリと残る気がする。正直言って苦手だった。両親が美味しそうに食べてるから一緒に食べていたけれど、良さが全くわからなかった。

それから15年以上経って、ふとシナボンが食べたくなった。あの甘さが無性に恋しくなったのだ。シナボンが食べたい。シナボンシナボン…と頭の中がシナボンでいっぱいになった。

ネットで調べると、定期圏内に持ち帰りのできる店舗があると出てきた。シナボン欲を満たすしかないとある日の仕事終わりに向かった。

お店に行くとどん!っと並ぶシナボンアメリカンな大きさで驚きつつ、ワクワクしながら2つ買っていった。

夜ご飯を控えめにして、家族で切って分けて食べた。
わたしは濃いめのブラックコーヒーを淹れて、さっそく口にした。

ガツンとくる甘さ、強烈なシナモンの香りが口の中に広がった。これだ、これが食べたかったのだ。シナボンを飲み込んで、コーヒーを飲む。甘さと香りがスーッと喉のほうに流されていく。またシナボンを口にする。またふわっと香りと甘さが広がる。
熱々にあっためていたので、ほふほふしながら食べ切った。

大人になって美味しいと感じるものが増えている。シナボンの美味しさも大人にならなければわからなかったもので、大人になったことをすこし嬉しく感じた。

余ったのは冷凍したので食べたくなったらシナボンがある幸せ。素晴らしいなと思う。