アヒルと琥珀

なんとなーくでいきてるひとがたまに書いてます。

しゃもじ

朝、駅まで歩いていると向こう側から、とても楽しそうにケタケタと笑っている1歳半から2歳くらいの男の子が歩いてきた。

かわいいなぁ微笑ましいなぁとニコニコとしていた。
だんだん男の子とわたしの距離が近づいてくる。何かを彼が手に持って上に掲げている。ふと何を持っているのだろうかとに気になって彼の手元を見た。


しゃもじだった。ご飯をよそうあのしゃもじである。しかもおもちゃではない普通に使ってるであろうしゃもじだった。

よく見るとすごく嬉しそうな彼の横には恥ずかしげなご両親の姿もあった。気持ちは痛いほどわかる。家で使ってるしゃもじをかかげて歩く自分のこども、恥ずかしさはマックスである。

でも、彼ら家族とはまったく関係のないわたしにとってはかわいくて仕方がない。しゃもじひとつでこんなに幸せそうな男の子の笑顔が心にジュワッと広がるのだ。朝が苦手なのでどんよりとした気分のわたしのこころがふっくらとした。

お母さんとすれ違う時に、可愛いですねと言ったら、ありがとうございますと返ってきた。

こちらこそ朝から心をふわふわにしてくれてありがとうございますという気持ちだった。

子育てしている人はすごいし、そういう人たちに優しくありたいなと思う今日この頃である。