アヒルと琥珀

なんとなーくでいきてるひとがたまに書いてます。

保育士試験(実技)を受けに行った その1

記憶が飛ぶってあるんだね。

 

◆前日まで


この記事でしれっと触れたが保育士試験の筆記試験に合格した。

複数の教科で点数が危ない橋を渡っていたり、2日目の方が試験慣れして点数が上がっていたりと突っ込みたいところはあるが、とにかく合格である。

次は実技がある。いくらなんでも実技は練習をしなければならない。言語は職場で読み聞かせをし続けたかつわたしが子供の時から大好きな大きなカブを選んで、大まかなあらすじと発声のみでどうにかなるにしても、ピアノなんて真面目に弾くのは15年近くぶりである。

ピアノはまず指が回らない。単音しか抑えられない。ヘ音記号が読めなくなっている。コードを解読し、単音にし左手はシからラの1オクターブしか触らないように楽譜を編曲した。それで1日30分は練習をした。
だんだん形になってきたのが6月の下旬あたり。テレビを見ながら弾き歌いできるレベルにまでなった。

そしてあっという間に本番を迎える。


◆ガイダンスから試験直前まで

会場まで向かい、ガイダンスを受ける。そこで衝撃の事実を知る。

わたしの試験午後!?

驚いてしまった。午前中か午後早い時間には終わると思っていたのに空白の4時間…。音楽が先で言語があとであった。

暇だし、髪染め行くか!!


ちょうどもうすぐプリンになりそうな状態かつ近くにいつも行っているカラー専門店の系列店があることを知っていたため、暇すぎるがあまり髪を染めに行った。ついでに髪も整えてもらおうという算段である。

そうと決まれば即予約、即美容院。綺麗に染めてもらう。


が、まだ2時間ある。

もう試験場に戻る時には試験を受けるギリギリがいいと思い、ファミレスで時間を潰す。

ボーッとしているとあっという間に試験1時間前になり会場に戻る。そうするとちょうどいい時間になっていた。

会場の控え室に行くとピリッとした空気が流れていた。そのヒリヒリした空気に飲まれそうになる。午後2番目の順番だったため、あっという間に呼び出しをされる。

◆音楽

控え室から出て、試験室の前に着く。わたしの前の午後1番の人が試験室に入っていった。
他の試験室の人もほぼ同時に試験室に入っていった。比較的短い曲のため、すぐに他の試験室の人達は試験が終わり出てきていた。
しかし、わたしの試験室の人はなかなか出てこない。耳を澄ますと、何回も弾き直しをしている。そこでわたしは不安に飲まれてしまった。怖くなってしまった。やっとわたしの試験室の1番目の人が出てきて、わたしが呼ばれるまでも結構な時間がかかった。もうそこで手が震えてきていた。
わたしの番になり、失礼しますと入室をして、受験票のシールを剥がせなくなっていた。手が震えているからだ。当然渡す手が震えている。
ピアノの前に座り、息を吸って弾き始めるがもうミスタッチの連続である。止まってはならない!止まってはならない!と必死に弾いて歌い続けるが、記憶がだんだん曖昧になって、気が付いたら最後の音を弾いていた状態だった。楽譜をファイルに入れる手がぶるぶる震えていた。灰になって燃え尽きつつも挨拶をして試験室を出た。


詰んだ。

おわった…。

極度の緊張の中って記憶って飛ぶんだね。

つづく