アヒルと琥珀

なんとなーくでいきてるひとがたまに書いてます。

藤井風くんのライブに行った


わたしが風くんを認識したのはきらりである。めちゃくちゃ爽やかな曲だなぁと思って聴いていた。
そして、去年の10月、札幌。彼がMISIAさんに提供したhigher loveに出会った。誰が書いた曲かも分からなかったその曲に心が動かされた。感動して涙が止まらなくなった。
しばらくしてhigher loveが彼が提供した曲だということを知った。
こんなにも深い愛の歌をわたしよりも年下の子が書いていることに驚いた。彼に対しての興味が沸いてきた。

新しいアルバムが出たと聞いて、聴き始めた。
なんて素敵な歌詞を書く人なのだろうかと思った。ライブに行きたいと思った。

そんな時alone at home tourのお知らせが届いた。
ちょうど職場の近くの会場があり、仕事終わりでも行けるじゃないと申し込んだ。アリーナクラスでやっている彼のホールライブのチケットなので当たらないだろうと思っていた。


数日後

当たった。

目が点になっていた。お昼休みに職場近くの磯丸水産で海鮮丼をモリモリ食べている最中に当落を見たのだが、その後の海鮮丼の味が一切しなかった。本当に驚いた。

少し経って事態を飲み込んだ。わたしは風くんに会える。とても嬉しかった。あの曇りのない声が聞けるんだとワクワクしていた。

藤井風TVやアルバムを聴いてその日を待ちつつ、保育士試験や仕事に忙殺される日々であっという間に6月になっていた。





6月6日
この日は休日で保育士試験の筆記の結果の郵送が始まる日でもあり、1日ソワソワしていた。1日に何度もポストを覗き、結果が来ていない…と不安になり続けていた。彼のライブのチケットの座席がわかる日だとはわかっていたが、試験の方が気になるのだ。
15時になり、結果より先にチケットのダウンロード時間になった。今までとんでもなく悪い席を幾度となく引いてきているので、どうせ1番後ろだからオペラグラス持っていかなきゃいけないなと思いながらチケットをダウンロードした。



やば。


気持ちがもう迷子である。脳の処理が追いついていない。そしてポストを見ると保育士試験の筆記が届いていて、無事に合格で実技試験に進めることになっていた。盆と正月が同時に来たような気持ちになった。あんなキラキラとした彼を間近で見られるだけでなんだかテンションが上がってきた。テンションが上がりすぎて気持ち悪くなっていた。翌日仕事なのにも関わらず夜中の2時まで眠ることができなかった。

翌日気持ち悪いままに仕事に行ってライブに行くことを伝えていたので、最前でしたと伝えると目を見開いている人がいたり、声にならない声を出してる人がいたりとわたしと同じようなリアクションをしていた。


そして当日がやってきた。
仕事を強制終了させてもらい、送り出してもらい森のホールに向かう。ふわふわとしながら最寄駅につき、タクシーに乗る。
ホールが見えてきた。ドキドキしていた。
買うつもりのなかったグッズを買って着替えて席に向かう。

自分の席に向かうともう開演が近かったため、ほぼ席が埋まっていてその席だけぽっかりと空いていた。

本当に最前だわ。


チケットに書いてあるので当たり前の話なのだが改めて席につくと圧倒された。ステージが目の前にあるのだ。


そしてあっという間に開演時間がきて、ライブが始まった。


もうレポートが上手い人がレポートしてくれているのでわたしは詳細は書かないが本当にすごかった。

音源と同じ声がする。パワフルだが、繊細な彼の歌声が響くのだ。スーッと彼の声とピアノの音が体を通っていく。
そして足音も鍵盤を叩く音も全部全部聞こえる。彼が生きている。目の前で動いている。
遮る物がなく目の前に彼がいる。下手側だったのでピアノを弾く彼の表情がよく見えた。とても美しかった。
キラキラとした曇りのない瞳は画面で見た彼と全く変わらず、小さな子供のようだった。仕事で関わっている3歳と同じ目をしているのだ。大人でこの澄んだ瞳をしている人をわたしは生まれて初めて見た。心が清いからなのだろうか。だからこそ彼からこの曲たちが生まれるのだろうか考えてしまった。


わたしは圧倒されて口がぽかんと開いていた。本当に圧倒されるとわたしは涙は一滴も出ずに目を見開いたままフリーズしてしまうのだと知った。ふと隣から音がするので見ると隣の綺麗なお姉さんは泣いていた。気持ちがよくわかった。こんな素敵なものをこの至近距離で見たらそれは涙が出るだろうと思った。

彼の家を覗き見て、1日を共に過ごしているような感覚になるライブで、観ていて退屈になることが1秒たりともなかった。きっと実際にもこんな風に彼は日々を過ごしているのではなかろうかと思った。



そして幕は下りた。あっという間の2時間だった。ホールから最寄駅までの15分の徒歩もふわふわと余韻に浸りながら歩いていたらあっという間だった。

もっと見たいと思う気持ちはあるのだが、リセールは申し込まないと決めている。その分色々な人にこの素敵なツアーを見てほしいと思っている。

より一層彼の魅力に気がつくことができたライブだった。今度は大きな会場で大所帯の編成で見てみたい。そもそももうチケットが当たる気がしないのだが、きっといつか見られる気がする。その日を楽しみに待とう。