アヒルと琥珀

なんとなーくでいきてるひとがたまに書いてます。

Higher Love/MISIA

今回出るアルバムは発売されたらレビューしようと思っていたのだが、この曲だけは先にレビューを書きたいと思った。

Higher Love

Higher Love


10/16の札幌、星空のライブの夜公演でこの曲が初披露された。こんなにも心に染み渡るのか、なんて素晴らしい曲なのだろうか。歌詞がするすると頭の中に入ってきて、初めて聴いた曲なのに涙が溢れて止まらなくなった。こんなことは生まれて初めてだった。

そして、11月のライブでこの曲が先行配信になることが伝えられた。アルバムよりも一足先に世にこの曲が出ることがとても嬉しかった。

PVが公開されて、作詞作曲が藤井風だと知った。私より若い彼からこんなに深い歌詞が生まれるのかと呆気に取られてしまった。






崇高な愛を歌うこの曲は、さまざまな愛を歌ってきたMISIAのさらなる高みを見た気がした。

この曲の“あなた”は実在する誰かではないのではないかと思っている。神様や信念、願い、想いのような無形のものなのではないか。

汚れのない終わりのないあなたへ

遥か遠く遠く
いるような気がしてたけど
本当はいつも一緒だったのね

形のない“あなた”は“私”のそばに本当はずっと一緒にいたことに気がついて、“あなた”に向かって静かに叫んでいくのだ。

届け higher love
この手にhigher love
この身に与えられし果てしなき道かけ抜けて
届け higher love
その手にhigher love
何度も転んで私見つけたの
だからもう離したくないの
so give me higher love

自分自身に与えられた人生という道を駆け抜けて、自分の中にある愛よ届け、その手に届けと愛を聞き手や“あなた”に送っているように感じた。そして、もっと“私”に愛をくださいと言うのだ。
この曲はさまざまな人に愛を届けながら、さらに愛を求めていく曲なのだ。



藤井風はこの曲の発表の時にこんなコメントを出している。

“ゴスペル”。
MISIAさんへの楽曲提供という機会を授かった時に浮かんできたキーワードです。
森、教会、インドカレー屋さん…色んなところに行って、インスピレーションを探しました。
降りてきたのは、崇高な愛(Higher Love)を求める、人間くさいゴスペル。
MISIAさんの神懸かった歌声は、本当に天まで届きそうでした。

彼の言う通り本当にこの曲はゴスペルのような神に捧げる音楽だと思った。しかも、沈んだり転んだり泥臭く生きている“私”が形のない“あなた”に向かって歌うという新たな愛の歌なのだ。
20年以上のキャリアの中で「EVERYTHING」や「つつみ込むように…」、「アイノカタチ」などさまざまな愛について歌っているMISIAがまた違う形の愛を見せてくれているように感じた。
この曲は、MISIAの新たな代表曲にこれからなっていくのではないかと思っている。