アヒルと琥珀

なんとなーくでいきてるひとがたまに書いてます。

母をライブ好きに育てた話

これはライブが好き過ぎる頭のネジが外れた娘とちょっと過保護な母の話である。

わたしがライブに行き始めて次の4月で丸10年になる。まだ4〜5年前くらいの気持ちなのだけれども、高校生だったわたしがアラサーになっているので無情にも時は流れている。

最初は小さいライブハウスに行っていた。
なぜだかライブハウスに行くことについて両親からの猛反発を受ける。特に母がひどかった。
そしてわたしは隠れてライブに行くようになる。最悪の方向に事は進み続ける。
ただわたしも詰めが甘いのでライブに行ったのがバレる。怒られる。でも隠れていく。

その繰り返しをした末に大学生でライブハウス通いを容認される。
ただ門限があった。22時と言われた。わたしの好きなバンドたちはキャリアが長く、トリが多かった。トリを見ると近所でも門限に間に合わぬ。また揉める。テコでも帰ってこない娘にまた両親は諦める。

わたし調子に乗る。遠征もし始めて、学生の身で年間50回ライブに行き出す。大学に行かなさ過ぎて、ゼミの教授から学校に来ていないと親に直接連絡が来るレベルになる。当然怒られる。今から考えるとかなりの馬鹿である。


大学生のあたりからアリーナクラスのコンサートにも足を運ぶようになった。そして、母を連れていくようになった。
最初は乗り気じゃなかったようだが、母もはまっていった。

そしてあるライブを見た日の夜、2人でご飯を食べていると母が
「もっと早くにライブとか行ってみればよかった」
と言ったのだ。
びっくりした。そんなことをいう人だったのか。母には趣味という趣味がなさそうでつまらなそうだと思っていたのだが、一歩踏み出して行動する勇気がなかったのだと思う。


さらに
「1つのツアーは1回見ればいいじゃない(だからもうこれ以上行くな)」
とわたしに言っていた母が、遠征にもついてくるようになった。
「ツアーって何回見ても面白いね!!」
と言われて、数年越しの手のひら返しされたわ…となった。だからわたしは遠征してたんだよ!!と思わず突っ込みたくなった。


つい先日、あるアーティストのチケット販売が発表された時、わたしは乗り気ではないが母が
「私が行きたいから申し込んで!」
と言い始めた。行きたいなら自分で申し込んでくださいと言いたくなった。立場が逆転しつつある今日この頃である。

母とは衝突も多いがこういう風に趣味で繋がることができたのは嬉しいなと思っている。

ただ遠征に全部ついてこようとするのはやめてくれ!!!わたしの趣味だよ元々は!